

長野県議会で高見沢敏光がおこなった定例会・代表質問・一般質問の内容を掲載。
平成19年2月定例会・代表質問・一般質問
- 代表質問にあたって
- 行財政改革について
- 産業振興について
- 農業振興について
- 観光行政について
- 道路行政について
- 医療行政について
- 教育行政について
- 警察行政について
- 淺川ダムの決着について
- 人口減少社会に向けて
代表質問にあたって
志昂会の高見沢敏光です。志昂会を代表して代表質問をいたします。
平成12年10月からの田中前県政の6年間は、田中氏個人のパフォーマンス県政に終始し、「出ずるを制す」余り「入りを計る」ことなく、また県民、関係団体、市町村などの多岐にわたる要望を聞く姿勢に乏しく、時には国を敵視し国庫補助金の有効活用など歳入の確保の努力をすることもなく、財政基盤の確立がなされませんでした。このことは、本県経済の低迷の大きな一因と考えます。
村井知事におかれましてはこのような県財政の現況を踏まえ、多くの市町村からの要望や県民の願いを聞かれる中で、行財政改革プラン案の中に「財政構造改革」も柱の一つに掲げ、持続可能な財政改革の構築に意欲を見せられ、県政運営を進めようとされていますことに、大きな期待をしているところであります。
村井知事はボイス81戦略会議等において、県は中期総合計画にあわせ「行財政改革プラン」も含め作業に取り組むと、その熱意も示されています。村井県政として今後の長野県をどのように建設していかれるのか、県民も注目しているところであります。
そこで、掲げられているそれぞれの計画等について、県はどのような基本的な考え方の下で進めていかれるのかを中心に、身近な例を上げながら、知事および担当部局長等の見解をお尋ねいたします。
1:行財政改革について
【1−イ】前県政の理念についての考えは
村井県政になって今後の長野県をどう展望させるのか、注目されている中期総合計画の策定がスタートしています。村井知事は当初、田中県政のときに作成された中長期ビジョンといわれている、あの理解しにくい総合計画というよりレポート、「コモンズからはじまる、信州ルネッサン革命」の理念は継承するとされていましたが、本当に取り入れていくのでしょうか。
私は行政の継続は必要だと思いますが、果たしてこのレポートは将来の長野県にとってふさわしい「ビジョン」なのだろうか疑問に思います。村井知事が本年仕事始めの式で述べられた「あらまほしき(そうありたい、理想的な)長野県」と整合するのでしょうか。「良いところは継続する」と言う事といささかこの場合違うのではないでしょうか。また知事は記者会見の折、「抽象的、理念的な「コモンズにはじまる信州ルネッサンス」ですか、という田中さんのお作りになった中長期ビジョンというようなことでは恐らく書き込むことができない」ともおっしゃっておられました。
中期総合計画を策定するのに最も重要な根幹でもありますので、村井知事は田中前知事が中長期ビジョンといわれているレポート、「コモンズからはじまる、信州ルネッサン革命」の理念を継承するのか、村井知事の明確なご見解をお示し願いたいと思います。
【1−イー2】
田中前県政が示した中長期ビジョンといわれているレポート、「コモンズからはじまる、信州ルネッサン革命」の理念は、基本的に継承されないとのことは、私も参考にしても中期総合計画の策定に当たってはふさわしいとは思えません。慎重に扱うというより、今後の長野県を建設するためにも明確なビジョンを立てられ、中期総合計画の策定に当たられます事を要望させていただきます。
(1−ロ)集中改革プラン
県はその行財政改革プラン(案)では、外部委託と組織のスリム化を進め、本庁部局と現地期間を再編し組織の効率化を図るとされています。また、5年間で現在の職員数5%(約1500人)を目標に削減をし、市町村への権限移譲や組織の見直しをするとされています。より効率的に行政の運営を進めるためには、それらの手法は基本でもあり理解するものであります。しかし、行財政改革の前提として、県民へのサービスの低下を招くようなことはあってはならないと考えます。
昨年8月31日に、集中改革プランの取り組み状況と地方行革指針が総務省から発表されました。この集中改革プランは、平成17年3月に「地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針の策定について」として、総務省から地方公共団体に公表を求めた、行政改革の取り組みを示した計画であります。
昨年7月31日時点で公表した都道府県は長野県・鳥取県を除き45団体で、市区町村では1510団体中1436団体(95.1%)が既に公表をしています。県では残念ながら田中県政において取り組みをしておらず今日に至っていますが、長野県の各市町村では既に取り組みを進めており、1月1日現在、公表済みの市町村は74団体となっており、3月公表予定市町村を含めると、全ての81団体が公表することとなります。県では、行財政改革の必要性のひとつとして、新たに平成19年度から、集中改革プランにも対応する計画として、今回の行財政改革プランを策定する事としたとされています。
そこで、まずは市町村が策定した「集中改革プラン」と、これから策定しようとする県の「集中改革プラン」との関連について、特に留意する点があるか、総務部長にお伺いいたします。
更に中期総合計画は県の行政改革プランをどう反映し、また相違が出た場合はどのように調整されるのか、企画局長にお伺いいたします。
【1−ハ】定員管理
県は市町村へ派遣している職員を戻すと発表されました。私も王滝村のように村の存続の窮地に至っている町村や、専門的職員を雇用しにくい小規模町村には、求めに応じ積極的に支援はするべきと考えます。その上で、市町村はそれぞれ自立していくためにも、自らの市町村の職員計画の中で、市町村の行政運営が行われることが本来の姿であると考えます。前県政で目的や目標も持たずに県職員の派遣を繰り返し、今や研修派遣だけでも136人が市町村に派遣されていますが、これは本来の県職員の定員管理上からしても、職員配置の適正を欠いたものであります。
このたびの発表によりますと段階的に減らしていく方針は評価いたすものであります。この集中改革プランの取り組みの中で、職員の定員管理も数値目標の一つにあげられています。県は職員を減らすと発表されていますが、単に国が示した職員の定員管理の数値目標の数字を当てはめただけのように伺えます。長野県の将来ビジョン、今後の県行政の推進にあわせることと共に、県民へのサービスが損なうことのない職員の適正配置を考えた上での数値なのか、いささかその根拠が見えにくいが、定員管理計画の具体的内容について総務部長に説明を求めます。
一方任期付職員につきましては、いつも指摘していますように県が本当に専門的知識を必要としているのか疑問であります。現在の任期付職員の採用状況を見れば、主な採用理由と主な現在の業務が、それぞれ同じような採用理由でもあり、主な業務内容も同じばかりか、同じ課に任期付職員が2人も配置されている例もあります。更に、現在採用している任期付職員別の現在の配置部署、県が採用時に求めた専門性と現在の職務内容は必ずしも一致していない職員もいます。
なぜ代表質問でこの問題を取り上げているかは、前県政の置き土産とはいえ、現に1月19日現在で村井県政になって採用された者も含め16名の任期付職員が在職しています。職員を減らすとしながら、任期付職員を当初県が求めた専門性を活かされた職務を遂行されているか検証しないで、一般論としての制度の良い面だけを強調され新たに任期付職員を求めてきたからであります。
中期総合計画を策定していく中で、最も重要な行財政改革において、職員の定員管理上、基本となるべき課題であるからでもあります。任期付職員の現在の任命者は村井知事であります。したがって、任期付職員の任用の利点だけでなく、現況をどう判断され、今後どのように対処されるのか、中期総合計画策定に当たって定員管理上の立場から、基本的なお考えを村井知事にお伺いいたします。
田中前県政は、行政職員の新規採用者を極端に減らし、職員の年齢構成にアンバランスを生じさせました。特に土木技術職員の採用が平成16年度2人を最後に、2年間ないと聞いています。また、団塊の世代における土木技術職員の退職者は、今後3年間で約72人になると聞いています。この数は土木部・農政部・生活環境部・会計局・企業局等に配置されている、農業土木・総合土木を含め、土木技術職員643人の約11.2%程度にあたります。今後もこのような形で採用を抑制していった場合、村井知事が「地域が輝く長野県づくりを目指して」を柱に進めようとしている、「減災」対策など県民の生命・財産を守る安全な地域づくりを進めるためにも、非常時の対応に対しても県民の皆さんが安心して生活が出来るか不安であります。
さらに、今後、団塊の世代の県職員の退職により、新規採用者の確保に特別な配慮が必要と考えます。技術職員については事務職員と異なり、現場や対象事案によって経験が必要となり、経験から得た技術を伝承することも、できなくなる心配も出てきています。
特に技術職員は計画的な採用が必要とされているが、行財政改革を進めていく上で、どのように職員配置など対応されるお考えか、また平成16年度2人に続く2年間ゼロと、バランスを欠いた土木技術職員構成の補充や、土木技術職員の採用はどのような計画か。総務部長の見解をお伺いいたします。
【1−ハ−2】
定員管理については、長野県の将来ビジョン、今後の県行政の推進にあわせることと共に、県民へのサービスが損なうことのない職員の適正配置を考えた上で行うべきであり、数合わせだけでなく事務事業の見直しや市町村への権限移譲、事業の外部委託など将来を見据えた、県組織の将来像も十分考慮し、県民に不安を与えないような定員管理となるよう、行財政改革プランを進める際十分考慮されますことを指摘させていただきます。
任期付職員は当初、自らの体験を通して専門性を活かして長野県に貢献したいとした目標と、必ずしも合致していない職務となっている方もいます。
県として要求した専門性を期待したこととも異なっているのも見受けられます。任用の仕方や任用期間によっては、制度の効果は得られず、同じ志を持つ一般職員の士気も低下となり、無駄な財政的負担にもつながります。中期総合計画策定に向けて基本となる「行財政改革プラン」の中で、明確に県の考え方を示すべきと指摘させていただきます。
本年3月には多くの方の任用が切れますが、残された期間のある方には県の求める専門的部署にしっかり配置させるべきであります。なおかつ、新規採用された任期付職員も含め、任期中に専門性を活かして県に、どのような貢献ができるか業務目標を求め、与えられた任用の期間の成果を得られるようにさせて、気持ちよく仕事が全う出来る環境を作るべきと思います。総務部長にお考えがあるかお伺いをいたします。
【1−ニ】組織再編
事務事業の見直しは、その事業の必要性や公的主体で担う必要性があるか、常に問われている問題であります。簡素で効率的な行政を実現するためには、職員の定員管理目標とともに重要な関連性を持つものであります。事務事業の見直しはその事務事業の再編・整理統合を進めることになりますが、それらを進める基盤となる組織の見直しも重要であります。
県では県組織のスリム化・効率化を目指し、いくつかの組織の整理統合をお考えになっておられますが、県が目指そうとされる長野県の将来的ビジョンに整合されるような組織再編でなければなりません。それらを踏まえ、多様化する地域の課題や喫緊の課題に、迅速に対応するためとして、この4月から組織改正が計画されています。
そこで新設される観光部については後ほどお尋ねいたしますが、今回組織の再編・強化されようとしている部門、現地機関の再編等についてお尋ねいたします。
労政事務所につきましては、昨年9月に「労政行政のあり方と組織について」私も一般質問させていただきました。
早速ご検討いただき職員を集約し専門性を高め、相談等の体制を強化されるために、地方事務所の付置機関を解き、単独現地機関化とされますことに感謝申し上げます。
9月定例会では現況を踏まえたとき、県下1〜2箇所に労働センターの設置が望ましいと提案させていただきましたが、東信・南信・中信・北信の4所と1分室・1駐在とされましたことは、労働相談等に対し適切な対応が出来、職員の専門性がより発揮できるものと評価できるものであります。
今後は相談に訪れる労働者の皆さんが不利益にならないよう、プライバシーが確保できる相談スペースの設置、また、身体障害者などを行政嘱託として労働相談員に採用されるなど、改めてご提案させていただきますが、社会部長にご見解を伺います。
農業改良普及センターにつきましても地方事務所の付置機関から単独現地機関とする再編計画は評価できるものであります。
普及センターの役目は今後、多品目で高単価な農産物の生産等に向けて、研究や技術指導はますます要求されてきます。むしろ普及センターのステージはこれからが重要な時期を迎えていると考えます。
技術的問題解決と良好な農業経営に向けた指導助言のために、単独現地機関化をすることは農業生産現場で普及センター強化の声も多かっただけに、普及センターの独立化は時宜を得た再編であろうと思います。
しかし、今回の再編計画では普及センター所長が地方事務所の農政課長を兼務される予定となっています。農政課は食と農業農村の振興、農村整備計画など全体を束ねる重要な行政組織であり、普及センターは「ものづくり」のために技術と経営を指導教育する組織と理解しています。
組織の合理化は必要でありますが、せっかくの単独現地化をされるならば、技術的問題を速やかに解決したり、そのための必要な予算等も迅速に対応できるように、役割を明確にし、建設事務所や労政事務所の単独現地機関化と同様に、農業改良普及センター所長も、所長の兼務でなく職務権限の独立をさせるべきと思うが、知事のご見解をお伺いいたします。
福祉と医療の連携として社会部と衛生部の統合案は今まででも論議されてきた問題であり、私も基本的に内容によっては、統合されることについては賛同している一人であります。具体的に現在どのような不都合のため、何の目的のために、どの部分を統合されるお考えか、改めて現時点での計画案をお示し願いたい。
また、住宅部門の扱いとして土木部と住宅部の統廃合も同様、似て非なる職域でもあります。これも具体的に現在どのような不都合のため、何の目的のために、どの部分を統合されるお考えか、現時点での計画案をお示し願いたい。 いずれも知事にお伺いいたします。
【1−ニー2】
労政事務所・・・
社会部衛生部・・・
住宅部土木部・・・
中山間地の農村整備づくりや農業と観光など生産のみでなく、農業政策の裾野は広いものがあります。国が新しく推進を始めた「集落営農」なども組織設置までは机上での事務的処理でも良いが、米作りならまだしも、中山間地の拡散した農地で新品目の栽培には、その生産技術指導や経営指導は専門的知識を持った普及員が、その仲間の中に飛び込んで指導教育してこそ、成功に結びつけることが可能であります。
役割分担を明確にし、迅速な技術指導教育があってこそ、長野県農業のブランド化が加速できるものと考えます。技術教育のトップの扱いにつきまして、再度ご検討をされますことをご指摘させていただきます。
【1−ホ】権限移譲
村井知事は81市町村が主役の県政運営を柱に、分権改革に向けて、市町村への権限移譲を進めていくお考えを示されてこられました。県では本定例会において、緊急の課題でありました有害鳥獣の捕獲ならびに市町村から希望が多かった農地転用の許可事務等を、市町村への権限移譲に着手されました。
行政課題が多様化する一方で、道州制の議論がなされるなど、地方行政のあり方が問われる中、まさに基礎自治体である市町村の役割や機能が、充実することが何よりも重要であると思います。住民に身近な行政は出来る限り住民に身近な市町村が、自らの責任において主体的に施策を立案し、実施していくことが重要であります。その意味からも積極的な権限移譲の検討は正に時宜に合ったものであると言えます。
権限移譲は現在国においても、いわゆる第1次分権といわれる、平成11年7月の「地方分権一括法」が成立されて以来、国の通達等による関与を大幅に緩和されたのみであり、国の法令等による事務事業の執行方法などの枠付けの緩和は手が届いていませんでした。
第2次分権に向けて、関係法令の一括見直しするための「地方分権推進法」が平成18年7月に閣議決定され、国と地方の役割分担・国の関与等に伴う法令等の見直しに入り、国と地方の公共団体が分担すべき役割を明確にする、地方公共団体の自主性および自立性を高めることなど、今ようやく地方分権の推進に関する基本方針の検討に入ったところであります。そして、どのような権限移譲がなされるのか、国の関与の整理・合理化がどうなるのか、財政上の措置の仕方がどうなるのか、その行く末は未知数であります。
その中で進める県の権限移譲も限られたものとなろうと思われますが、只今国の例を示したとおり、県においても県と市町村の役割分担を明確にするとともに、事務事業の分担移譲に伴い、財政上の措置も明確にすることが必要であろうと思います。分権改革の真の目的は事務事業の分担関係を適正化することであります。市町村に単に事務事業の分担として権限の移譲のみを先行し、市町村事務を混乱させないよう、県民と市町村に良かったと思われる分権作業を進められることを期待しますが、権限移譲には法的規制を守る立場と、市町村が要求される規制緩和と相反する課題を抱えることになります。知事は権限移譲に向けて基本的にどのようなお考えで進まれるか、市町村に分権するに当たっての、基本的なお考えについて、ご所見をお伺いいたします。
本定例会で提案されている条例提案にもあるとおり、農地転用許可を含む農地関連事務では、本年4月より4つの町村で移譲を予定しているほか、19の市町村が今後の移譲を検討されているとのことであり、県内市町村における主体的な取り組みや、住民サービスの向上に向けた意欲が感じるものであります。
その一方で日々住民に身近に接している市町村行政においては、許認可権限を持つということは、法律の適正な運用を図るという義務を果たさなければならないことはもとより、昨今農地離れや農地を含む開発も望まれている中、住民へ如何に説明をしていくかという責任が高まることも明らかであります。
また、今後農地転用等の事務が県内の市町村に広く移譲されるようになると、法に従った事務とは言え、これまで県で統一的に行ってきた優良農地の確保が、果たして保たれるのかといった、不安も起きてくるのではないかと思います。
移譲する事務によっても様々かと思いますが、市町村の自主性を重んじるといった面と、県としての統一性を保持するといった側面を如何にバランスよく運営していくかということは、権限移譲を進める上で十分検討しなければならない点であると考えます。
農地法関連事務の権限移譲が検討される中で、農業振興地域の整備に関する法律、いわゆる農振法における農振除外の県への協議同意も、その権限が委譲されないのか、農振整備計画の変更手続きの短縮が出来ないかとの声もお聞きしているところであります。しかし、農振除外にける県の同意権限は、農振法の性格からも出来ないことは私も理解できますし、県としては統一性を保持すべき観点、すなわち「如何に農地を守っていくか」という、果たさなければならない責務もあります。
そこで、権限移譲を進める中で県としては、どのように優良農地を守っていく責務を果たすのか、また、移譲を受ける市町村からの要望や、市町村における法律の適正な運用を確保していくのか、農政部長にお伺いいたします。
【1−ヘ】財政構造改革
行財政改革を進める上において、県民の多岐に亘る要望や様々な環境の変化にも的確に対応し、持続可能な自治体づくりを推進するために、最も重要な点は「的確な財政状況の把握と財政構造の構築」であることは言うまでもありません。県でもこれらを認識され財政構造改革を進められていますことは評価しているところであります。
昨年までも「財政改革推進プログラム」を策定し数値目標を示されてきました。平成18年2月発表の中期財政試算では、基金残高は平成19年度には基金が枯渇し、55億円の財政赤字が発生することが見込まれます。このままでは、平成21年度には469億円の財政赤字となり「財政再建団体」に転落することも想定されます。としております。今定例会に示された財政見通しは、歳入確保策や歳出削減策など、追加の財源確保対策に今後も取り組むことによるとしながら、平成19年度基金残高は220億円となり、平成21年度の基金残高も115億円と、財政赤字を出すことなく安定的な財政運営を行っていくとの見通しとなっています。まず単純な疑問ではありますが、基礎的根拠数字が間違っていたのか、どこがどう変わったのか、見通しが違った要因を総務部長にお示しいただきたい。
【1−ヘー2】
財政見通しはその見通しを誤ることにより、いたずらに県民の不安を抱かせ、経済振興にマイナス要件を与え萎縮した経済環境を作ってしまいます。
この数年間はまさに財政見通しを誤った報告により、長野県の経済回復を遅らせた要因の一つにもなっていると言っても過言ではありません。予算策定に当たっては、本来多岐に渡る県民の要望等をどう受け入れ、いかに無駄遣いの排除を考え事業経費の予算化から始まると言われていますが、その上で歳入は控えめにが原則であります。
県税収入は経済局面が良好となり県税収入が確保できたとすることは納得できますが、今後の財政見通しの中で、歳出面や県債の発行などは知事の政治的判断により、変わる事はありうることと理解できますが、今回の財政見通しは歳入において過重な見積もりでないか懸念されますが、歳入面の根拠となる試算の考え方の継続性などを明確にし、財政状況がどんなにぎりぎりの状況であろうが、県民に希望をもって経済活動が出来るような、偽りのない数値を示していくべきことを申し副えておきます。
2:産業振興について
日本の景気拡大期間は「いざなぎ景気」を超え戦後最長となったといわれていますが、長野県においては冒頭に触れましたが、一部の製造業に回復基調が見られるものの、他の産業や地域別では依然として厳しい状況が見られています。
このような長野県経済の回復の遅れは、県も共通認識されており、的確に現状を把握されている点は今後の産業振興に向けて大きな期待を持てるものであります。
村井知事が掲げる「力強い長野県経済づくり」は中期総合計画の柱となるものであり、その柱の基礎となるべき「長野県産業振興戦略プラン」づくりは、今後の長野県を展望する上でも重要なプランであります。
村井知事が掲げる力強い長野県経済づくり」とは、何をどのように目指そうとされているのか、知事のご所見を伺いたい。
それらを審議されている長野県産業振興懇談会の中間まとめが先ごろ発表されました。中間まとめの概要を見る限り、概ね「長野県経済の背景と課題」「産業振興の基本的な方向性」「目標に向かう基本戦略」など、それぞれの課題にむけて、今後の審議に期待されるところであります。更に「ものづくり産業応援助成金」いわゆる県の工場誘致対策において、県外からの新たな大規模投資の助成上限額を、3億円から10億円に挙げたことは、各県との駆け引きの中においても競争のテーブルにつける環境が整った感はあります。
しかしどんな企業でも進出してくれれば良いという考え方はいかがなものでしょうか。一例をあげれば、本定例会の補正予算に、佐久の県営リサークチパークに、県内の大手きのこ企業のホクト株式会社に、分譲するための予算が計上されています。長年苦しんでいた空き工場団地が消化できることは好ましいことでありますが、昨年も同じ企業が上田市に進出した際、同業の零細きのこ生産農家の先行きを心配されました。
更に近隣の佐久市に進出するということは、今まで試行錯誤を繰り返し、ようやく、長野県特産のきのこを信州ブランドとして育て市場に導いてきた、きのこ生産農家を見殺しにしてしまうことになり兼ねません。
既に最大手のホクトと雪国まいたけのブナシメジの合計生産量は、JA系統全体の生産量を上回っていると見られ、生産調整が意味を成さなくなっているといわれています。
資本主義のルールに従い問題はないとしながらも、長野県や農協とともに地道に努力してきたきのこ生産農家を、廃業に追い込んでも優良企業の進出と喜んでよいのでしょうか。県が産業振興を進める上で目標とするべき課題を、もう一歩踏み込んで明確にすることが必要ではないでしょうか。
それは、長野県の次の産業経済を牽引するためのキーを見出すことに、もっと力を注ぐべきと思います。そのために次世代の産業振興に向けて、技術革新の核となるべき課題を官・学・産が共有しながら、県がリード役をするべきと考えるがいかがでしょうか。また、企業誘致に当たっては県内の中小企業が出番となるような、関連性のある企業誘致をするべきと思うがいかがか、商工部長にお尋ねいたします。
なお、大手きのこ企業の進出についての見解は、次の農業振興策の質問でお伺いします。
3:農業振興について
【3−1】
平成18年3月定例会で議員提案により制定された、「長野県食と農業農村振興の県民条例」に基づき、「長野県食と農業農村振興計画」策定のために審議会が設置されたことは評価に値するものであります。
議会と条例を無視して策定の準備ですら、しなかった前田中県政を考えると、ようやく議会が目指す長野県の食と、農業・農村の持続的発展が図られる方向性が見えたことと、農業県でもある県民の皆さんとともに喜ぶものであります。長野県農業の重鎮でもあり経験豊富な若林甫汎(としひろ)委員長を中心に、現在審議会もスタートしたばかりであり、振興計画の本格的な議論はこれからであります。審議会において、長野県の食と農業・農村の実態をしっかり把握され、条例が目指す将来像を明確に示されることを期待するものであります。
審議会での活発な議論を待ちたいと思いますが、長野県の農業の現況は非常に厳しい環境におかれている事など少し触れてみたい。
長野県の農業産出額(総生産額)は、平成6年から16年までの10年間で全国平均20.5%減少に対し、長野県の農業産出額は25.1%も減少しています。販売農家1戸あたり平均耕地面積は95aと全国平均176aの54%、約半分であり、基幹的農業従事者に占める65歳以上の割合は、全国平均の57%より高い、64%となっています。
いかに規模が小さく高齢化が進んでいるか、数字を見れば明らかであります。このような環境の中で農業・農村振興を図ることは大変な作業が想像されます。
先ほど産業振興の項で例としてあげた「きのこ生産農家」同様、農家が廃業を余儀なくされようとしているときに、市場出荷分の価格安定対策など生産安定基金の充実、低利融資制度の創設、大消費地への消費宣伝対策などの施策を打っても効果は薄いと思います。
これは建設業の他産業進出への支援策で経験されたように、体力のある企業はある程度の異業種転換を試みても、体力のない企業は何も出来ず、倒産に至った例もあったことは明らかであります。
本年度予算においても「きのこ農業緊急支援対策事業費」として4429万円余を計上されていますが、方やきのこ生産農家の経営安定を図る政策をしながら、その一方で企業誘致に大手きのこ企業に県営工場団地を分譲するなど、アンバランスとみられる施策が進められています。
今後、トマトや葉物野菜などの水耕栽培など企業が参入する場合も考えられます。むしろ窮地に落ち込む前の段階で、長野県農業の将来に向けての取り組みを、部局横断で速やかに打ち立てるべきと考えますが、村井知事の所見をお伺いいたします。
また、国が進めている「品目横断的経営安定対策」の対象となる、「担い手経営体」になるためにも、中山間地農業の多い県下において高いハードルでもあります。農政部として現時点で基本的にどのようなお考えで進めていかれるおつもりか、農政部長にお伺いいたします。
【3−2】
農家の育成支援と、企業誘致は難しい判断であると考えますが、既存の生産農家とバランスの取れた企業誘致など、行政判断を誤らないよう指摘いたしておきます。
また、中山間地域等における地域農業の維持を図るためとして、「集落営農」の組織化と経営展開に向けた施策が進まれていきますが、中山間地域の狭隘な農地での集落営農の作付け品目や、経営的配慮などの現状をしっかり把握され、今後の施策や「長野県・食と農業農村振興計画」策定に十分反映させるよう要望いたしておきます。
更に県も今後進めようとされている長野県農産物の、海外へ市場展開を求めていますが、単品のみでなく他品目の県内ブランドの農産物が、トータル的に海外販売が出来るよう、新年度はもとより中期総合計画の中で、その位置づけを明確に示されるよう要望いたしておきます。
4:観光行政について
【4−1】
議会からも「全国屈指の多様な観光資源を生かし、裾野の広い観光施策を総合的に推進するため」に観光部設置を県に要望してきましたが、県では来年度の組織再編に伴い観光部を設置するとのことと決定されました。
最近の長野県の観光行政は一貫性がなく、目標もあいまいで、場当たり的な観光行政のように思えてなりませんでした。
県監査委員の「随時監査等報告書」によっても、平成14年度に商工観光課が廃止されて以降、県の観光に関する推進体制は、毎年度担当部署が入れ替わり、担当職員数も変動されています。更に驚いたことに3年続けて観光係に配属された職員は1〜2名程度であります。
このような状況が続いたため、県と市町村の観光課や観光協会との間にズレが生じ、連携が取れなくなっているのが現状だと思われます。まさに市町村が推進しようとする観光行政に対しても、県は支援の体制がとられていなかったのであります。また、監査委員の意見として述べられているように、県と観光協会の役割を明確にし、派遣職員も段階的に引き上げ、観光協会が名実ともに民間主導のもとで、民間のもつ民間的発想を十二分生かされるよう県は配慮するべきであります。
そこで県と市町村との連携も強化し、持続ある観光行政を進めるためにも職員の配置も十分考慮していくべきことと考えますが、総務部長にお伺いいたします。
今回、知事は議会の要望に早速応え観光部を設置し、県が主導で観光長野県を復活させようとする姿勢は歓迎するところであります。ただ観光部を設置しても、単に数値を掲げるのみと、努力を目標とするだけであっては意味がないと思われます。長野県にいかに観光客を呼び込めるのか、あらゆる角度から検討をし、しっかりした目標を掲げ、その数値達成の努力をしなければ意味がありません。今回、県の観光部は当面2課制で進めるとのことです。今までのような県と市町村とが別々な観光を進めるのでなく、県は長野県のイメージづくりをアピールすることと、観光ビジョンの明確化に努め、観光協会と市町村は具体的な観光計画を立て推進していただき、県は更にバックアップしていく仕組みを作り上げるべきと考えます。
観光部と市町村の観光行政との関係、観光部と観光協会との関係は、具体的にどのように進めていかれるのか、商工部長にお尋ねいたします。
また、前県政は台湾への観光を重視してきました。せっかくの交流関係は継続することも必要でありましょうが、隣国・韓国にもっと積極的にアプローチをかけるべきではないか。
インバウンド政策も含め、スキーやゴルフ、温泉など、県としても明確な観光ビジョンを持って、経済の成長も著しく、日本にも興味を抱いている中国や韓国に対し、確実な観光客誘引のためのラインをもつべきであると思うが、インバウンド事業の現状と今後の方針について商工部長にお伺いいたします。
【4−2】
観光部を新設し積極的に観光産業の振興を図ろうとする県の意気込みは評価できます。それだけに新しく出来る観光部の責任と期待は大きいものがあります。過去の反省を踏まえ確実な一歩を歩み始めることを重ねて期待いたします。
しかし、私は観光振興課に予定されています「交流促進」の「田舎暮らし案内人」を、観光部に設置するのはいかがかと思います。
田舎暮らし事業を観光として捉えるのでなく、人口減少回復策の永住対策事業として捉えるべきと考えます。この件につきましては別に質問をさせていただきます。
5:道路行政について
【5−1】
村井知事が就任以来、81の市町村から道路を始め地域の課題整備の要望が多くだされてきました。前田中県政においては口に出すこと自体タブーとされた感もあり、地域住民の切なる願いと地域の「まちづくり」のための将来展望ができなかったこともあり、当然の訴えであろうと思います。道路は地域住民の生活や産業・観光など、地域住民にとって整備促進は切実な願いであります。また、市町村にとっても「まちづくり」を進める上で道路を無視して将来計画を立てることは出来ません。
知事は中期総合計画に沿って県政運営を推進していくお考えを示し、まずその計画に遡上することが推進の目安でもある、というようなご発言もされてきました。
しかし、道路の整備は知事もたびたびお話されてるように、5年の中期総合計画内において解決は出来ない。15年も20年もの年月が必要であるため、どのように整備計画に乗せていくか難しい作業でもある、とも説明されておられました。私も知事のおっしゃる内容は理解できますが、中期総合計画にも整備路線として名前も挙がらないとなれば、地域のまちづくり計画はその時点で頓挫しなければならない場合も出てきます。
そこで、平成14年3月に県土木部で発行した「長野県の道路」をみても、中部横断自動車道や三遠南信道などの高規格幹線道路・伊那木曽連絡道路などの地域高規格道路・県道路公社が管理している有料道路そして市町村道などが掲げられていますが、いずれも定義付けや位置付け的な著し方に留まっています。
念のため、今までの中期計画に掲げてきた長野県の道路網が計画に沿った整備がなされてきたのでしょうか。投資規模、完了箇所数、新規着手箇所数など、どのような状況となっているか。土木部長にお伺いいたします。
やはりこの際、将来を見据えた長野県の基幹道路整備計画を策定するべきと考えます。
例えば地元の例で恐縮ですが、中部横断自動車道も現在八千穂インターまで建設が始まりました。しかしその先線は見通しが立っていません。
地元町村や住民の皆さんは一日も早い整備計画路線の昇格を望んでいます。これは他の高規格幹線道路の整備を待っている市町村も同様な思いであろうと思います。しかしながら、中部横断自動車道や高規格幹線道路や国道18号等の直轄国道の整備などは、県の意思で県が策定する中期総合計画に位置づけることは無理があるようですが、県として将来あるべき県土づくりの上からも、もっと具体的に示すことも必要ではないでしょうか。
そのために、県が管理する道路を含め、まずは将来目指す水準を数値目標としてきちんと掲げ、それを実現する道路網がどうなるかを示した上で、中期・長期に行うべき具体的な整備箇所を明示した計画を策定すべきと思うがいかがでしょうか。その上で関係市町村とともに積極的に県もその実現のため、国へ要請するなどの努力するべきと思うが、土木部長にお伺いいたします。
【5−2】
道路特定財源を一般財源化への移行が始まっています。しかしわが県の高速道路網は道半ばであります。
これは村井知事ご自身が知事にご就任以来、毎日のように各市町村から要請を受けられており、一番身にしみられておられることと思います。
知事におかれましては国に対し現況をお伝えいただき、道路を造らないほうが善で、造るほうが悪であるかの議論を払拭していただきたい。そして国も高速道路網の将来ビジョンを明確にしてもらうとともに、県においても基幹的道路網のビジョンを明確に示したうえで、具体的な長野県道路マスタープランを作成し、中期総合計画の中で出来うる箇所からの整備をする制度の確立をするべきと、指摘させていただきます。
6:医療行政について
【6−1】
「健康長寿県・ながの」として名実ともに誇れる本県においても、長野県の医療を取り巻く環境は大変厳しいものであります。とりわけ医師不足と看護師不足は深刻であります。それらの対策につきましては即効性がある術はありません。
本定例会の予算案においても積極的に取り組みが行われており、その成果を期待しているところであります。このような医療環境の背景の中で、第5次長野県保健医療計画が策定されようとしています。医師および看護師問題につきましては、昨日来の質問と答弁の域から新たな進展を期待できる状況ではありません。そこで私は県立病院のあり方について、中心にお尋ねをいたします。
まず、県立病院の経営は17年度の決算書によると、木曽病院を除き赤字経営となっており、いずれも改善に努力されているものの結果は得られていません。また、診療報酬や薬価基準の改定など医療制度の見直し、介護保険制度の改正なども経営を圧迫している要因のひとつでもあろうかと思います。
更に自治体病院として他の病院と異なり、地方公営企業法で定められている公共性、いわゆる高度専門医療など、不採算部門医療業務が求められております。その反面健全経営に向けて企業性の発揮を求められますが、どうしても経営面においての黒字体質への医療環境が厳しいことは理解しているところであります。
病院の経営改善には医師の問題を切り離しては考えにくいのですが、今回は医師以外の角度から、考えてみたいと思います。
全国自治体病院協議会会長の小山田恵(こやまだ・けい)氏が、ある雑誌に掲載された資料に基づくと、民間病院と自治体病院の経営データからの比較を見ると、100床あたりの医業収入はほぼ同額であるのに比べ、医業支出は自治体病院が9%も多くなっているとされています。医業収支比率は民間が100.1%であるのに、自治体病院は91.3%、であります。
(ちなみに、17年度の決算書の数値から算出した県立病院の医業収支比率は、こども病院64.4、木曽病院98・9、阿南病院83.7、駒ヶ根病院65.7、須坂病院95.4となっています。)
経常収支比では自治体病院は97.89%で赤字、民間病院は100%以上で黒字であると報告されています。
このように自治体病院の経営が悪い要因には、支出面が多いことが問われています。特に給与費は全国平均で民間より5.7%、材料費が4.3%、委託費が1.9%、減価償却費が4.0%それぞれ高いとあります。
2月1日「こども病院のあり方を考える会」に提出された資料においても、県立こども病院の給与費は他府県の小児専門病院と比べて高いことが明らかになっています。中身の分析を詳細に説明する時間がありませんが、要は経営に見合った給与のあり方でないということが伺えます。業務実績や能力を反映した給与体系の改革が必要であると考えます。更に材料費の購入も単品ごとの入札などにより、民間病院より高く買わざるを得ない状況であります。
これも民間的手法を取り入れ、積極的に改善をしていくべきと考えます。衛生部長はどのようにお考えかお伺いいたします。
また、赤字経営体質を打破できない環境に、地方公営企業法の問題があります。県でもこの法律の一部適用を採用しておりますが、この場合管理者としての病院長には財務管理の責任だけが与えられているだけで、管理者としての全てを任されていません。全部適用を採用した場合は、病院管理者には人事権、予算作成、決算調整、企業資産の取得管理処分、労働協約の締結など広範囲の権限が付与され、責任も明確になります。
このように病院経営者の責任の明確化と、管理者に対する権限を付与させることが出来る、公営企業法の全部適用も含め、独立行政法人など経営改善に向けて検討すべきと思うがいかがでしょうか。また、第5次長野県保健医療計画の策定が勧められていますが、現在の状況について、衛生部長にお伺いいたします。
【6−2】
自治体病院の経営を改善するには、色々な方策はあろうかと思います。大事なことは仮に県が一部適用を採用していく場合でも、病院現場に病院事業管理者がいない現況では、事業管理者である知事とそれぞれの病院長および事務長が、まず県の財政状況を改めて病院職員全てに、病院の経営分析や情報などの実態を知らせ、医師や職員の意識改革から始めるべきであると考えます。埼玉県立病院では数年間赤字決算を繰り返していたのを、職員の理解を得て県からの繰入金を115億円ほどあったものを、毎年7億千万円ずつ減らして予算を組んだが、決算では5年連続で黒字となっている事例も報告されています。
事業管理者も医局責任者の病院長も職員も、病院の実態を共有してこそ改善が進むものと思います。後、権限を持った事業管理者の設置により、病院経営の改善を図ることも必要であると思います。
県民が安心して医療を受けられるためにも、医療の質を下げないで病院の収支の改善に向けて、早急に取り組むべきと考えますが、村井知事のご見解をお尋ねいたします。
7:教育行政について
長野県教育は高校教育改革プランの推進にあたり、本来同窓会や学校関係者に理解が得られる計画案も、高校再編問題の進め方が拙速で強引な手法であったため、高校生や県民を巻き込んで、高校現場を混乱させるという大きな過ちを犯しました。長野県教育にとって大きな汚点でもあり、やらなければならない高校教育の改革を先送りしてしまいました。しかし遅ればせながら高校再編は始まったばかりであります。説明を不十分のまま先を急ぐことになれば、本来の長野県の高校教育のあり方を見失ってしまうことになります。この轍を踏まぬよう、
今まで進めてきた県教育委員会の手法手段を反省し、少子化が進む子供達の将来のために、本県の目指すべき高校教育の基本と、いかに質の高い高校教育を提供させるためにどうするべきか、しっかり説明責任を果たし、二度と同じ過ちを繰り返さないよう高校教育改革プランを推進するべきとおもうが、昨日の質問にお答えされていましたが、改めて教育長に決意の程をお伺いいたします。
また、18年6月定例会で「高等学校設置条例の一部を改正する条例」が、議会からの修正案が可決されました。そのため「高等学校を統廃合する場合、高等学校の統廃合につながる高等学校の生徒の募集停止を行う場合は、議会の同意を得なければならない」とされました。県教育委員会の本来なすべき判断でありますが、議会の同意を得なければならなくなったことは、如何に議会と県教育委員会との信頼関係がなかったことを物語っていると、言わざるを得ません。県教育委員会としても、自らの判断で長野県教育の改革が円滑に進められるために、一日も早く議会や県民の信頼を取り戻し、正常な条例に戻す努力も必要ではないでしょうか。県教育委員会委員長にご所見をお伺いいたします。
ただ、この改革プランの中で「多部制・単位制を全通学区に設置」という計画があります。本年度の長野県教育委員会の行動方針には、「一人しかいない自分が、自分らしく成長できる信州教育」の実現を目指すとあります。この考えによるならば、今のこどもの多様性や実態を見たとき、一般論としては有効であると思います。しかし、地理的要因や人口等を総合的に判断した場合、一層の効果のあがる地域を検討することが求められています。すなわち多部制・単位制は全通学区設置に、こだわる必要はないと思われますが、いかがでしょうか、併せて教育長にお伺いいたします。
未履修問題は、教育者としてやってはならないことであります。しかし、本定例会冒頭の教育委員長による「教育委員長議案説明」において、「公教育に対する信頼を損ねたことによる責任は極めて思い」と強い反省の念が示されました。今後一層注意を払い履修科目の取り扱いについて、過ちのないよう改めて指摘させていただきます。この問題は私も、現行の教育環境や入試制度と重ねてみたとき、学校現場だけに一方的にその責任を求めることに無理もあると考えます。教育委員長も考えを述べておられましたが、国の教育制度是正に向けて、本県の高校教育の現場の状況を国に対し、率直に伝えることも必要であると思います。
また、市町村合併が進んだとは言え市町村では地域的要素もありますが、小規模校が依然として多く存在しています。義務教育は市町村教育委員会の範ちゅうではありましょうが、県としても今後ますます少子化を迎える中で、適正な教育に相応しい学級規模を示すことも必要ではないでしょうか。
そこで、今後の適正な教育に相応しい学校・学級規模などについて、どのような認識をお持ちか、教育長にお伺いいたします。
8:警察行政について
【8−1】
これまで都会だけと思われていた凶悪犯罪など、県下においても多発している現況の中で、村井知事は本定例会において、警察官60名増員の予算を提案されております。
しかし、実際には、10年前の時限立法により増員されていた28名が今期で削減されることから、実質32人の増員のみであります。この32名が増員となっても、長野県の警察官一人当たりの負担人口は、依然として全国トップクラスにあるとお聞きしております。
ここ数年、犯罪の検挙率が向上するなど、治安回復の兆しが見え始めたとはいえ、まだまだ県民が安心・安全を実感できる状況に至っていない、というのが本当のところではないかと思います。一方、国における警察官の緊急増員も平成19年度までと伺っております。
そこで、長野県警察緊急治安対策プログラムで掲げた、警察官増員の目標との関連も含め、警察官増員についての警察本部長の見解をお伺いしたい。
また、平成の合併も進み121市町村から81市町村になりました。今後も合併特例法の最終年度である平成21年度末を視野に、県も積極的に支援をするといわれておりますので、合併の動きも加速することも予想されます。したがって現在の警察署もある市においては複数の警察署が出来ることになり、反面ある市・郡においては警察署がゼロ地区も出てきています。また、他県と結ばれる幹線道路の整備が進む中で、犯罪の広域化も進んでいるのも実態であります。更に、先ごろの県施設の耐震結果が報告されましたが、県警察本部が入っている県庁舎も耐震率が低いとなっています。一丁有事の際県民の生命の安全や災害・犯罪を守るための司令塔となる県警察本部が機能を果たさないこととなります。また、県警察本部が県庁内に設置されているのは長野県を含み数件とお聞きしておりますが、他はすべて県庁舎と別棟になって県民の安全に寄与されています。そこで県警察本部棟を含め、今後の警察署施設のあり方をどのようにお考えになっておられるのか、警察本部長にお伺いいたします。
また、市町村合併がされた市町村の中には、いくつもの駐在所が設置されていることとなりました。旧町村単位に所在する駐在所はそれなりに地域住民の安全を守り、その所在意義は多きいものがありますが、最近、地域のそれぞれの町村では警察官駐在所より24時間勤務となり、地域の安全を守っていただける、交番の設置を望んでいる声も多くなっているのも現実であります。
行財政改革プランに、警察組織のあり方の検討もあげられておりますが、地域の交番制度について県警察本部としてどのようなお考えかも、警察本部長にお伺いいたします。
【8−2】
警察行政に関しては警察官・施設等に全国的に遅れをとっている本県において、少ないマンパワーをおぎない、効率よい適切な初期行動を行うために、近代的な科学的機材を導入することは理解できるものであります。県財政が逼迫している中ではありますが、県民の生命財産・安全を守るために、「減災」事業と同様に警察官の増員、各警察署や県警察本部棟などの施設整備に万全なご配慮いただきますことを、強く要望させていただきます。
9:淺川ダムの決着について
【9−1】
2月定例会直前に長い間、いつ起こるかわからない災害の苦しみに脅かされてきた淺川の流域住民にとって、ようやくその苦しみから逃れられる結論が県から示されました。「穴あきダム」の建設であります。現在様々な意見が飛び交っていますが、志昂会といたしましても今までの検証と今後についてお尋ねいたします。
脱ダム宣言の理念については、県民のほとんどの方々が理解されているものと考えています。
問題は、脱ダムの理念のもとで河川改修など、どのように個別事例を調整し、実現していくかだと思います。行政は賛否両論、双方の意見を聞き事業を進めなければなりません。その点においては、従前の県の事業には一方的と思われる点もあり、問題があったと思います。
しかし今回の淺川の治水対策の進め方は、従前とは全く異なっていると思います。そこで、田中前知事が突然発表した「脱ダム宣言」をした後を整理してみますと、まず宣言は
●長野県に於いては出来得る限り、コンクリートのダムを造るべきではない。
●(脱ダム宣言について)広汎なる議論を望む。
でありました。
田中前知事は2000年の知事就任あいさつで「二項対立ではなく」とか「小異を捨て、中異を抱き、大同につく」とか、「クリエイテイブ・コンフリクト(創造的な議論)」と発言されていたということです。
浅川については、ダムによらない治水計画等、様々に住民の意見も大いに聞き検討されてきました。その結果、検討されていく過程で治水安全度100分の1確立、住民の安全を守るためには、確実性・経済性・効率性に優れた「ダム案」になったのだと理解されます。また、浅川流域には地附山の地滑り地帯と同じに脆い地質があります。従来の水を常時溜めるコンクリートダムでは、土砂が流入するおそれもあるので、「脱ダム」に向けて河川改修に向けてあらゆる方法を、住民の皆さんの声を聞きながら研究協議されてきたが、安全を確立できる河川改修案は見出せなかった。
そこで通常は川の流れを遮断することのない穴あきダム計画となったと理解されます。このような経過を踏まえるならば、浅川ダムは「『脱ダム』からの転換」ではなく、まさに「脱ダム宣言」の理念を実現したといえます。もっと言えば「民主主義の実現」であったと思います
もう少し論点を整理してみますと、淺川ダムについてマスコミの論調は、「脱ダムか、ダム推進か」の二項対立論に終始しています。
治水対策の基本は「住民の生命・財産をどう守るか」であります。脱ダム宣言の趣旨には、 多くの県民が、大切な自然をこわしてはいけない観点から支持できるでしょう。 そこで、相反する二つの考え方を両立するために、個別的・具体的に、民主的手続きによ り、結論を出すことが求められたのであります。
・(鷲沢長野市長)も、「失われた6年という声もあるが、いろいろな意見が出て、検討がなされたという点で、意義があったと考えたい」と感想を述べられていました。
・(市村小布施町長)も、「『脱ダム』の理念には共感する部分もあった」とした上で、「六年間話しが進まず、残念な思いを抱いていた。ダムがいい、悪いではなく、ようやく治水対策が具体化される見通しが立ったことは評価したい」とコメントされていました。
知事も「県民の生命と財産を守るには一刻も早く結論を出さなければならない」とおっし ゃっておられました。昨年7月の豪雨災害を省みれば、全くその通りだと思います。
しかし、今までも課題とされてきました「地滑り等」の危険性に対する不安は、いまだ十分な説明に至っていません。県はそれらの説明責任を果たす必要があります。そこで、
(1)地滑りの危険性に対して安全か、その対策はどのようにお考えになっているか。
(2)環境への配慮の効果はどのように考えておられるか。
(3)「ダムなし案」はデータ的に可能であるか。
以上3点について土木部長にお伺いいたします。
【9−2】
事業を行うには、賛成・反対の意見が交差します。そして、それは民主主義として尊重すべきものであります。今後、いかに、流域住民をはじめ県民に説明していくのかが重要であります。志昂会では12月定例会直前ではありましたが、島根県益田市の「穴あきダム」の現地調査をしてきました。その調査結果を踏まえ12月定例会で柳平議員が、穴あきダムの合理性・安全性を訴え、流域住民の安心・安全のために、知事は早期決断をするべきと提案したところであります。
「脱ダムか、ダム推進か」の二項対立論ではなく、住民の生命・財産をどう守るか、という基本に立ってこの問題を議論しながら、問題の核心から逃れずに、しっかり説明責任を果たされ、一日も早く流域住民の安心安全を確保できるための、治水対策事業を推進されますことを強く申し上げておきます。
10:人口減少社会に向けて
【10−1】
我が国は少子化とともに、いよいよ人口減少の局面に入りました。この要因や背景をいまさら語るまでもありませんが、人口減少は我が国の活力そのものを低下させるだけでなく、長野県など、特に地方にとっては大幅な経済の沈滞化とともに県財政や市町村の財政力の低下は免れません。しかし、逆転の発想を持って、人口が過密となっている都会から人々を呼び込むことも可能な時代になってきています。いわゆる団塊の世代を中心とした世代や、田舎で再チャレンジしたい若者などのUIターンが望めるからであります。
今こそ、経験豊かな団塊の世代や若者の人材誘致、長野県への移住促進など、地方での生活の魅力の効果的なPRや県としての受入れ態勢の整備をとおして、本県の人口増につなげるチャンスのときでもあると思います。
県では新年度より新たに「観光部」を立上げ、観光立県「長野」の早急な再興を図るとしております。そして、現在の田舎暮らし案内については、観光部に予定している2課のうちの観光振興課の中の一つのセクションに位置づけるとお聞きしております。
私は田舎暮らし事業を観光の一部として捉えるのでなく、県行政の大きな柱の一つとしての永住対策・人口増加対策事業として捉えるべきときに、果たして「観光部」にこれを位置づけるだけでよいのかと思う次第であります。
一時的な観光客として狙うだけでなく、人口減少が進む本県の活性化戦略として、部局横断的に、しかも広く市町村やNPO等と連携し、より踏み込んだ施策を展開するべきではないかと考えるからであります。
人口減少社会において人口減少自治体を、どのように地域の活力を維持し活性化を図るかは重要な課題であります。それは「人口減少が脅威なのでなく、労働力がどのくらい減るか、一人当たりの労働生産性がどう変わるかが問題である。」といわれています。まさに、人口減少社会の問題は、働く人が減って作る物の量が減るということになります。
既に県下の市町村でも危機意識を持って、産業振興や魅力ある地域づくりなどに向けて、団塊の世代獲得だけでなく、流入人口の増加対策や子育て支援対策に知恵を絞っておられます。
県も田舎暮らし案内人を設け、積極的に推進を図っておられますが、やはり一人ではその活動にも限界があると思えます。訪れたい県として沖縄・北海道に次ぐ3番目にランクされた長野県として、市町村や熱心に取り組んでいるNPOなどとともに、県を挙げて一体的に、より戦略的にすすめていく必要があると思います。
内閣府で実施した意識調査の結果を見ると、都市地域に居住する人のうち農山漁村への定住を願望する方は、20歳代で30.3%、50歳代で28.5%、60歳代も20%となっています。団塊の世代ばかりでなく若者世代でも、地方への移住や交流の希望は高い傾向が見られています。しかも、定年後の就労希望も10〜15年と長く、見込まれる老人医療費など公的負担割合より、経済波及効果のほうが高く、地方は潤うことも予想されています。
ちなみに、北海道では3年間で300世帯の60歳の高齢者・無職世帯が移住した場合、生涯の経済波及効果は約5700億円、社会保障費などの公的負担は約1200億円に留まると推計しています。
日本には要介護認定者が約400万人いるといわれていますが、そのうち年代別では75歳以上が8割を占めています。如何に60歳代は元気であるかをあらわしています。
70歳後半以降でも介護が必要になるのは2割程度、8割以上の人は亡くなる直前まで元気で暮らしていることになります。従業員1000人規模の工場誘致で得られる税収よりも、200人の熟年家族を招いたほうが消費効果は大きいと予測さえ、されています。人を招いて消費によって本県の財政も豊かになる仕掛けを作ることも求められていると思います。まだまだ、これらのメリットとなる要件等を挙げるには時間がありません。そこでお伺いいたしますが、
まさに田舎案暮らし案内人の活用は、「持続可能な自治の営み」につながるものと思いますが、単に観光の延長としてではなく、人口減少問題の解消に向けても、部局横断的に田舎暮らしの推進や人口流入を推進すべき県組織としての体制づくりが必要であると思いますが、知事のご所見をお伺いいたします。
また、団塊の世代を中心とした移住戦略を促進するためには、受け入れ側と都市住民側とのマッチングのみならず、移住を誘発するための「くらし」や「しごと」に関する支援策や規制の緩和などが、単に自然の素晴らしさだけでない「ああ長野で生活しよう!」と思う本県の魅力の発揮につながるのであります。
もちろんこれは県だけでなし得るものではなく、市町村や企業、団体、NPO等との連携が重要であることは先にも述べたとおりですが、これまで市町村や企業の参加を得て田舎暮らし「楽園信州創造事業」を推進してこられた商工部として、今後、本格的な本県の移住施策や人口増加戦略を推進するためには、何が必要であるとお考えか、商工部長にご見解を伺います。
【10−2】
人口減少を食い止めることは、自然減より社会減を減らすことだと思います。それは本県から県外流出を減らすこと、進学・就職などにより県外に出て行った人を呼び戻すこと、他県から本県に移住してもらうことであります。そのために働く場を作ること、移住をしていただくための環境づくりをすることなどが、求められるのではないでしょうか。
あわせまして、知事は「企業的な発想」に立ち財政運営等推進するとされております。選択と集中の上に立った積極的予算は歓迎するところでありますが、財政見通しを見誤ることなく、諸施策を展開頂きますことを申し上げ、志昂会を代表しての代表質問を終わります。
[2007.02.02 更新]

