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群馬県高校改革の実情を現地調査


 長野県高校改革プランが各通学区ごとに、推進委員会を中心に論議が高まってきている。本来であれば不用意に改革対象高校を発表する前の議論であったと思われるが、冷静かつ客観的な議論のうえ判断を示していただきたいものである。志昂会では9月16日、より論点を整理していくために、先進地での高校改革の経緯などを調査してきた。

 群馬県太田市、県立新田暁高校では総合学科高校として、平成8年に群馬県としては最初の総合学科高校となり10年目となっている。総合学科の特徴は生徒の一人ひとりの、可能性と多様な個性、能力を伸ばし、自分の適性や進路希望に応じた学習ができる教育システムである。

 新田暁高校の沿革を見ても決して理想的な学校環境ではなかったことが伺える。当初は地域の産業の発展と産業人育成のために設置されたが、時代の変化と共にその使命が薄れ、高校名が何回も変わったり、特殊学科を次々と導入してきていることを見ても、その苦労が伺える。今10年目を向かえ関係者の努力により、誇り高い総合学科高校としての教育が進められている。生徒一人ひとりに曇りがなく、とても爽やかに私たち来訪者にも接してくれた姿は、教育もさることながら「将来に向けて人を育てている」感が強く印象に残った。

 総合学科のシステムや特徴・メリットなどは別紙資料【志昂会本部にて保管】によりたいと思う。問題は総合学科に改編した経緯がどうであったかである。県として学校名を公表し地域や同窓生、就学希望生のいる中学校などの理解をどう得られてきたかを訊ねてみた。新田暁高校では従前から生徒数の減少による学級数の減は予測されていたので、当時の校長先生が自ら総合学科を勧めたといわれる。そのことが関係者の理解を得やすかった要因にもつながったことと思われる。

 群馬県の他のブロックにおいても、県教委は長野県と同様に改編高校の公表はするものの、全体を見て大変なところ(学級数の減少など顕著な高校)から実施している。しかも地域に皆さんと共に地域の高校を考え、活性化協議会なる組織をつくり検討がなされている。改革プランを立て同じように進められているようであるがどこか違う。それは、改編しようとする高校と、その地域を大事に考え、その上で共に作り変えようとする姿勢である。一方的に00高校を**制の高校にします。と強圧的な手法でなく存続そのものを考えなければならない高校から、真剣に地域の皆さんと協議を繰り返していることだ。そのことが地域からアイデアも生まれ、状況判断から改編か統合かを選択している。

 やはり同じ公表する手法をとっていても、県と当事者との信頼関係があってこそ改革は成しえるものであることが、改めて身にしみて感じた。それは長野県教育委員会も高校改革プランの必要性が、県民も理解いるだけに、もっと丁寧に地域の実情を把握し、県下一斉に押し付け的な手法を取るのでなく、本当に困っている高校に対しどうするべきか、地域の皆さんと胸襟を開いた論議を重ね解決策を求めていくべきであろう。今はむしろ地域(通学区ごと)の高校を重んじるより、県庁の一人にしか目を向けていることが、本来の高校改革が進められない要因となっている。このまま推移していけば、これから高校を目指そうとしている中学生などの進路に、大きな影響を及ぼすことになる。そのためにも今回の高校改編の公表した事実を白紙に戻し、本当に困っている高校から手を差し伸べていくべきである。もちろん、高校改革プランの総論は基本として理解をより一層求める努力はしていくべきであろう。そのことは県議会ももとより承知をしているものと私は理解している。

 16日の新田暁高校の現地調査を実施して、つくづく人間味のない事業推進は成功しないということを感じ取れた。なお、多部制・単位制を取り入れた、太田フレックス高校は他の案件と重なり現地調査に参加できなかった。その内容については志昂会の各議員のホームページを参照願いたい。