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納得のいかない、朝日新聞『取材ノート』の記者の目

 28日の朝日新聞「’05取材ノート」、シリーズの囲み記事である。いつも楽しく読ませていただいたが、本日の「木製ガードレール」を担当した伊藤景子記者にものを申したい。

まず最初に記者として取り上げる課題の本筋は何か。県民に何を伝えなければならないか。真実は何か。争点はどこにあるのか。記者としてしっかり見極めた上で記事にするべきではないか。貴方が信州に暮らしてみたいと思った動機のひとつは、確かに「木製ガードレール」であったかもしれない。しかし、公民が読む新聞紙上に貴方のご自身の思いだけを記事にすることはいかがか。少なくとも今年一年間の長野県下の出来事を、記者の目から正しく解説しながら「取材ノート」として県民にお伝えするコーナーであると思う。

貴方の信州への思いは否定するものでもなく感謝したい。記事の四段目中ごろまでは、若干貴方の思いもあるが事実の紹介であるため文句を差し控えておきたい。【12月にコモンズ支援金という「変化球」で提案した設置費も全額削除された。】このあたりから問題となっている課題の真実は何かを、理解されたうえのレポートであったのだろうかと疑問に思う。私たち議会は木製ガードレールそのもの全てを、いつ否定をしていますか。否定はしていません。県は財政が逼迫しているから4年間かけて1億円の経費で木製ガードレールの安全性・耐久性など検証をしたい。といって予算を上程してきているのです。

 いつ検証結果を発表したのですか。いつ緊縮財政を解除したのですか。取り崩した基金を回復させたのですか。県民の皆さんに財政の赤字転落が解消し「豊かになりました」と安全宣言をしたのですか。何もやっていない現状で「木製ガードレール」だけ特別扱いは出来ない。当初予算の1億円以外に補正に出してくるから、緊急性があるのかと議会は言っているのです。『何でここまで嫌われる』とタイトルに出すように、議会は木製ガードレールを嫌ってはいないのです。

そもそも「変化球」の表現はいかがか。県・理事者としてやってはいけないルール違反をしているのを貴方はどのように解釈しているのですか。コモンズ支援金の目的と扱い方。各市町村から本当に要望されたものなのか、県が要望してくださいと懇願してまでやるべき事業なのか。交通安全施設の中の一つである木製ガードレールは、どこの部で扱うべき事業か。なぜ、土木部で市町村に要望を懇願し、経営戦略局で事業をしなければならないのか。その事実を緊急性があると県民にいえますか。「政争の具」にしているのは田中知事ではないのか。

温暖化対策の是非を問うつもりはないが、議会は当然理解をしているつもりである。確かに温暖化対策の一つには過ぎないが、木製ガードレールだけが温暖化対策の最たる事業ではない。沢山ある事業の中の一部分であるのだ。今、議会が問題としている本筋を貴方が理解をし、そのことを県民に知らせるべきではないのですか。『理念が分かっていないと、議会を批判する知事の主張は平行線のままだ』と貴方は紹介している。知事はそう思うだろうが「理念の問題」だろうか。平行線となっている原因は、知事が議会の意見を聞こうとしていないからである。

なぜ貴方が言う「変化球」まで投げて提案しなければならないのか。その事実を『おかしいぞ』と記者の目から伝えるべきではないか。一方的に貴方の思いだけで、本筋の事実を伝えない議会批判と思われる伊藤景子記者の記事は、朝日新聞の報道の原則と品位を疑わざるを得ない。緊縮予算の中で県民からの多岐に渡る要望を、ここは共にもう少し「我慢をしてください」と、一生懸命県の立場を訴え続けている県議会議員の一人として納得の出来ない取材ノートである。