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「働きかけに関わる公用文書」の事実認定を報告

 昨日ダウンロードのUP作業がトラブリがあったため、改めて論点整理の結果を報告した全容をお知らせします。

           論 点 整 理(総括)

                                    文責 志昂会 高見澤敏光

「下水道関係の働き掛けに関する文書」に係る公文書公開請求に関する事項
『概 要』

 2003(平成15年)10月6日読売新聞長野支局から、「公職にある者からの働き掛け」等についての公開請求がなされた。当時の田附下水道課長は岡部経営戦略局参事に相談し、その際請求された公文書を不存在とすることにし、該当の公文書5部を回収し破棄した上、パソコンに入っている関係文書やフロッピーを全て消去するよう指示をし、情報公開請求に応じなかった。しかし、後に下水道課職員のファイルから出てきた「公文書」を公開することとなった。これらの公文書破棄をめぐって、公文書の破棄を実行したことは事実か。田中知事の指示があったのか。知事後援会元幹部による働き掛けがどのように行われたのか、などが焦点となった。調査の段階で岡部元経営戦略局参事や、田附元下水道課長から田中知事に情況報告をする中で、田中知事の指示を求めようとしているメールが数回にわたって送信されている。そのメールを受け田中知事は疑念の思いを承知しながら何らの指示もしないばかりか、特定の県職員や働き掛けをしていたとされている当事者(知事後援会元幹部)にも転送されていた事実が判明した。

※ 公文書か否かの検証
公開請求された文書には、知事後援会幹部が知事の威光を嵩に働きかけと思われる発言や行動が記載されており、ワーキンググループの人選まで提言されていたことも記録されている。
岡部英則証人は、これが私的メモというのはあくまでも口実であって、実態は公文書だということで考えておりました。ですから公文書として残すということが非常に危険だということですので。・・・これはもう課長が保有している、しかもキャビネットの中にあるということは、もう原則これは公文書ですから、いかに理由をつけようとも間違いなく公文書であるということで、私自身は判断していました。【議事録第11回―P30】
田附保行証人は、総務委員会へ呼ばれて、はっきり申しまして、岡部さんから実際これはもう本来なら公文書だということを言われまして、そこではっきりと認識を改めたと言いますか、誤っていることを知ったわけであります。【議事録第11回―P86】
中野守雄証人は、内容を見ると明らかに仕事にかかわることですよね。それで私はもう、これはもう公文書であるから、当然公開請求があれば公開しないと・・・、これは私的メモだと、そういうふうに理解していた職員は誰もいないと思います、はっきりいって。【議事録第9回―P79】
小林公喜証人は、これは下水道課の、下水道公社の入札制度を改革する上での一連の経過の資料として、当然組織的に活用し職員が共有している。そういうことから公文書ではないかと。・・・同じ理解をしておりました。【議事録第11回―P30~31】
これらの証人の証言によっても、文書は明らかに公用文書と読み取れるものである。更に、「20003年10月9日AM7時48分 田附課長から田中知事へ:公文書公開請求:と題するメール」によっても、田附保行証人は議事録と明確に記載されていることを見ても、全ての証人が公用文書としての認識があったと考えられる。しかもこの文書が下水道課の田附課長自身のキャビネットの中に保管されていたことなども証言から明らかになっており、田中康夫証人や田附保行証人及び岡部英則証人を含む関係者が、公用文書と知りながら「当該文書を不存在としなければならない」と、判断せざるを得ない内容の文書であると承知していたと考えられるものである。

『違法性およびそれに類する疑義』

① 公用文書破棄に対する疑義
 2003(平成15年)10月6日読売新聞長野支局及び信濃毎日新聞社から、「公職にある者からの働き掛け」等についての公開請求がなされた。当時の田附下水道課長は岡部経営戦略局参事に相談し、その際請求された公文書を不存在とすることにし、該当の公文書5部を回収し破棄した上、パソコンに入っている関係文書やフロッピーを全て消去するよう指示をし、情報公開請求に応じなかった。これは公用文書等毀棄に該当すると考えられる。

② 知事の関与に対する疑義
 県に対し『下水道関係の働きかけに関する文書』に係わる情報公開請求された際、職員は「知事後援会幹部の働きかけと見られる内容の公文書」であるため、知事と連絡する過程で「知事は当該公文書を不存在とする考えである」ことが、知事の意思であると職員は判断して一連の行動になった事実が明らかになった。その結果、働きかけどおりの入札制度の変更となり、平成17年度事業の入札で、その知事後援会幹部が関係する会社が落札した事実も判明した。このことは「公文書破棄の事実を知りながら、破棄中止の指示を怠り公開請求の指示をしなかった」など、政策決定への不透明な関与がなされたと考えられる。

③ 偽証等に関する疑義
  田附保行証人、岡部英則証人、田中康夫証人、北原俊樹証人の同一尋問に関して、各証人による証言内容はほとんど異なっていることからして、偽証の疑義が考えられる。

※ ① 公用文書破棄に対する疑義についての検証
証人喚問した証人の証言から、岡部英則証人は当該公文書の破棄等を指示し、田附保行証人は一旦下水道課職員に配布した公文書を回収し、その公文書の破棄を実行した。更に当該公文書に関係するパソコンの磁気的記録やフロッピー内の記録も全て消去したことが明白である。
 不存在とした当時、組織的に管理されている「公文書」を全て破棄していなかったにしても、自らが課員から回収行動をして破棄に至っていることは事実である。
 当初の公開請求に対して不存在決定を行った際には、当該文書は公文書(組織的に共用する文書)ではないという判断により、メモとして取り扱ったとしているが、「公文書か否かの検証」の項による証言の通り、明らかに公用文書としての認識を持っていたものと考えられる。したがって『公用文書であることを認識した上で、故意に隠匿した』ものと判断できるものである。
(資料編:3p~4p参照)

※ 論点整理及び検証結果による判断
「公用文書破棄に対する疑義についての検証」 で検証の通り、岡部英則証人は当該公文書の破棄等を指示し、田附保行証人は一旦下水道課職員に配布した公文書を回収し、その公文書の破棄を実行した。更に当該公文書に関係するパソコンの磁気的記録やフロッピー内の記録も全て消去したことが明白であり、田附保行証人及び岡部英則証人は公用文書毀棄として判断できるものである。

※ ② 知事の関与に対する疑義に対しての検証
岡部英則証人や宮津雅則証人の証言からしても、田中康夫証人が直接岡部英則証人に指示をしたと考えられるが、田中康夫証人の証言からは読み取ることが出来なかった。しかし、情報公開を受けた文書を「私的メモとした背景」も、知事を擁護したいとの考えであり、知事もメール等を通じ承知をしていた。田附保行証人が田中康夫知事宛に10月9日AM7時48分に「公文書公開請求について」のメールの中に、文書の破棄を始めたことを報告している。
田中康夫証人は『私は逆に、メモであるという判断が出たということに関しては報告を受けましたが、しかしそれを破棄をすると、処分をするというようなことは、これは仮にそれがメモであったとしても、あらぬ疑いをかけられるということは、職員にとっても関係者にとっても、よろしからぬことだからまずいのではないかという感懐を抱いたということであります。【議事録第13回―P15】』と証言をしている。
感懐を抱いていながら、田附保行証人にも岡部英則証人にも「文書の破棄を止めさせ、情報公開をするべき」と指示をする時間的余裕がありながらしなかった。なぜ、岡部英則証人に直接指示をしないで9日の夕方、岡部英則証人の部下である宮津雅則証人に「破棄は不味いよね」とメールを打っているのか理解できない。
更に、田中康夫証人は岡部英則証人から、10月9日に2回(「近況報告」「再度話しました」)、10月10日に「下水道課について」、10月15日「説明不足でした」、10月16日「近況報告」と5回にわたって、当該公用文書破棄に関わるメールを受信している。田中康夫証人はその度に宮津雅則証人他にそれらのメールを転送していたことが、田中康夫証人が当委員会に提出したメールによっても明らかの通り、岡部証人からの詳細な報告を受信し、公用文書破棄の行為が行なわれることを容認していたことになる。
仮に田中康夫証人が当該文書破棄を知ったのが8日であるのか9日であるのかに関係なく、これら重要な事実を知り得た段階で未然に文書破棄中止の指示をしていれば、破棄の実行を防げていたはずである。
長野県知事である最高統括者としての責務を放棄していることでもあり、明らかに職員が文書破棄行為の実行をしようとしている行動を容認していたと判断できるものである。
(資料編:5p~7p参照)

※ 論点整理及び検証結果による判断
「知事の関与に対する疑義についての検証」 で検証の通り、田中康夫証人は情報公開請求があった文書が、公用文書であることを知りえていた。また、田附保行証人及び岡部英則証人が田中康夫証人を庇おうとして、当該公用文書を破棄することを事前に知りえていたことも明らかである。しかし、田中康夫証人は田附保行証人及び岡部英則証人による公用文書破棄の実行をしようとする行動を知り得ていながら阻止の指示も出さず、情報公開を指示することもなく「当該の公用文書不存在」および「当該公用文書破棄」とする職員の行為を容認する行動であったことも、各証人の証言及び当委員会に証拠として提出された各メール及び知事から提出されたメールを見ても明白である。
したがって、明らかに文書破棄を容認していた行為は事実上の指示であると判断できるものである。

※ ③ 偽証等に関する疑義に対しての検証
 田附保行証人、岡部英則証人、田中康夫証人、北原俊樹証人の同一尋問に関して、各証人による証言内容はほとんど異なっている。一部偽証と思われる証言も多々あったが、各証人による、それら証言の食い違いを全てを偽証との判断には至らなかったが、2件について偽証の疑義があると考えられる。
15年4月23日のホテル信濃路での『後援会幹部と懇親会しながらの懇談会』についての文書のみ田附保行証人が仮に当初私的メモとしても、文書に記載されている内容とその文書を課の職員に配布した行為は、職務上作成されたものであり組織的に共有していた文書であることが、多くの証人の証言からも明らかである。更に15年4月16日(2部)・17日、5月20日の4つの」文書においても公用文書であることは「公文書か否かの検証」で検証の通り明らかになっている。したがって、情報公開請求された文書は明らかに公用文書であり、田附保行証人も岡部英則証人も田中康夫証人も公用文書の認識はあったと判断できる。
よって田附保行証人が当該文書を私的メモ、私的文書と証言していることは偽証と判断できるものである。

 田中康夫証人は情報公開請求された公用文書に対し、「知事の関与に対する疑義についての検証」で検証したとおり、職員が文書破棄行為の実行をしようとしている行動を容認していたことが明らかである。また、岡部英則証人が『知事から出さないよう、ということで指示を受けたというふうに考えております。』と証言している。更に岡部英則証人及び田附保行証人からのメールによっても、リアルタイムで田中康夫証人に公用文書破棄の実行を行なう内容をメールで報告していた。にもかかわらず、田中康夫証人は『それは、それぞれ情報公開請求の担当の人間が判断することであります。私からの指示はございません。』と証言している。当時の長野県政の執行の流れは、知事の指示がなくして職員は事務執行の判断が出来ない情況であった。岡部英則証人は『指示は私の責任という事とさせていただきたいと思っております。』とメールで田中康夫証人に情況報告をしているが、岡部英則証人は『私の責任』でという立場でもないが、切羽詰った情況であったため『私の責任』とせざるを得なかった。これらのように田中康夫証人は言外において、事実上の田中康夫証人から当該公用文書を破棄の指示が出されたことと判断できるものである。
 (資料編:7p~8p及びメール集、参照)

※ 論点整理及び検証結果による判断
「公文書か否かの検証」 で検証の通り、明らかに「公用文書」と判断できるものであり、田附保行証人は公用文書であることを認識していた。したがって、田附保行証人が私文書あるいは私的メモと最初から証言の中で繰り返していることは、公用文書と知りながら故意に私文書あるいは私的メモと証言をしているものであり、私文書及び私的メモと証言したことは、偽証と認定することが妥当であると判断できるものである。
《地方自治法第100条7項・虚偽の陳実》

また、田中康夫証人はリアルタイムで公用文書破棄の実行を行なう内容をメールで報告を受けていた。その報告に対し何ら指示はしていないが、中止の指示をしなかったことは、言外において事実上の田中康夫証人から当該公用文書を破棄の指示が出されたことと受けとめられる。
よって田中康夫証人が『私からの指示はございません』と証言したことは偽証であると判断できるものである。
《地方自治法第100条7項・虚偽の陳実》