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県と議会の信頼関係をなくし、県政課題を政争の具としている田中知事

 議会と長との関係とそれぞれの役割については、常に議論されているところである。今更振り返ってみてもと思ったが、長野県ではその原点を踏みにじられようとされているため、原点をおさらいする必要があると感じたのである。 日本国憲法の中に「地方自治」の章が設置され、その地方自治法と関連法に基づき地方自治が運営されていることはご存知の通りである。地方自治体といえば市町村も含まれているが、この場合長野県だけを抽出して考えを述べてみたい。
 
 知事と県議会は直接住民の公選により選出された独立した機関である。そして知事には執行権を県議会には議決権を与え、お互いにその権限を侵さない・侵されず、対等の立場と地位にあると理解されている。その権限の均衡を図り、独断専行を抑制してこそ、適正で効率的な行政財政の運営が図れるものである。法律論を述べるつもりはないが、長野県ではその地方自治の原点が侵され、崩壊寸前となっているため敢えて法律を紐解いてみたのである。
 
 独断専行を抑制し対等の立場と地位を保つことは、お互いに信頼関係の上に立って判断し行動をしなければならない。「信頼」を保ち続けることは実に大変なことなのである。自分勝手のわがままを言っていれば信頼は崩れていくであろう。相手の話を聞こうとする努力を怠れば信頼は築くことは出来ない。お互いの立場と職責と使命を理解しあってこそ、一つの目標(ここでは県民の利益)に向かい合い、その目標を実現させることが出来るのではないだろうか。
 
 「信頼関係」に立つことは、自らの過ちに気がつき、謝罪と修正する勇気を持たなければならない。組織間の信頼関係を維持することは、必ず1対1でなく複数の人達が関係するはずであるので、関係する人達が異を唱え注意を促し、時に急ブレーキをかけてやらなければならない。知事と県議会議長が県と県議会の立場での議論が異なっても当たり前である。その違いを緩衝させ理解を深めさせていくために、それぞれの取り巻き(知事であれば副知事・出納長・部長・経営戦略局職員など、議会であれば副議長・議運委員会・正副委員長・各派代表者など)が適切な進言をし、長が聞き入れてこそ違いを解消させることが出来るのである。
 
 以前にも記した事があるが、県議会が知事部局や各行政委員会の運営や事務処理、政策の実施状況について適法・適正に、公平・効率的になされているか批判したり監視したりすることは、県議会の与えられた権能であるのだ。だからこそ、その批判や監視することは非難や論評ではないのである。お互いに住民の立場にたっての正しい意味の批判であることを忘れてはならない。いや間違えてはいけないのである。
 
 ここまで述べてくれば読者の皆さんはお分かりのことと思う。田中知事の県政運営に当たっての手法は、地方自治の原点である独立した、それぞれ異なった権能を持つ機関を、尊重し信頼した上で県政運営がなされていない。それを正常に戻そうとする意思ですら持ち合わせていない。2月定例会を振り返ってみれば、県議会も100%良とは言わないが多少の反省点は自認しているが、田中知事は提案された予算・条例・事業施策(組織再編など)等々、提案内容そのものもそうであるが、委員会審査での対応、極めつけは最終日の「ご乱行振り」は、100%に近い混乱の責任はある。

 議会としても何でも気に入らないから反対しようとしているのではない。会派内や各会派を超えて議論するとき、必ず知事の提案権に超越していないか、他に不都合が出てこないか。この予算の背景に県民にとって不利益なことはないだろうか。時には県民の意思と異なるが説明しきれるだろうか。常に冷静に予算・施策内容について、審査の段階で議論を重ねている。このことが与えられた議決権を行使するに当たり、お互いにその権限を侵さない・侵されずの基本に立ち、県民の現在と将来のために批判し監視をしている現われである。

 自らが県議会の活動を「政争の具」として県政運営に立ち向かっていることが要因であろう。本当に県民の皆さんの立場を考え真剣に政策を考えてきたか。そのための組織を有効に活用し職員を信頼してきたか、職員は知事の意向を尊重するだけでなく、県民サイドからも考慮して施策を提案してきたのか。いずれにしても、ここまで県と議会との信頼関係を壊し、長野県を壊した罪は大きい。

 敢えて申し上げておこう。議会で偽証等を議決し議長によって告発したことも、議員有志で告発に踏み切ったことも、「政争の具」ではない。あくまでも5年半の間、田中知事自身が県民の名を借りて県議会を敵対視し、県民への約束を破りガラス張りの県政を怠り、独断専行の県政運営をしてきたことに対し、周囲から是正するべきとの意見にも聞く耳を持たず、強権的に執行してきた事実の一部を明らかにされただけである。
 
 憲法第15条には「公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と定められている。議員も住民全体の代表者でもあり奉仕者である。お互いに肝に命じていきたいものである。現在、特に知事取り巻きは一部でなく「一人のための奉仕者」集団になってしまっている。これだけ県民や県議会、更には同僚職員にまで批判されていても気がつかないのだろうか。

 本当に疲れた2月定例会であった。2月定例会を振り返って詳しくご報告をする予定であったが、いささか論文調というよりボヤキ的になってしまったことをお許しいただきたい。志昂会の清水洋議員のホームページには3月27日最終日の模様が記載されている。また、2月定例会のダイジェスト版は、志昂会の柳平千代一議員のホームページをご覧頂きたい。
 4月からは社会衛生常任委員会に所属することになったが、ご関係の皆さんにはよろしくご指導を賜りたいものである。