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島根県益田市の「穴あきダム」を現地調査

 5日 島根県益田川ダムを志昂会の3議員(柳平・清水洋・高見澤)で、「益田川治水ダムの概要と稼動状況について」現地視察をしてきた。益田川ダムはダムの河床部にゲートのない常用洪水吐を設置したダムでは日本で最初のダムである。いわゆる「穴あきダム」で平常時はダムの貯水池側は貯水しないで、流下してくる土砂と流水と共に一緒に下流に流す構造である。最近淺川の治水計画案にダムあり・ダムなし両案を視野に入れて検討すると知事は言明されている。私どもも両面からの検討を加え、流域住民の安全な日常生活を確保するために、一日も早い結論が求められている現況を重く受け止めていく必要がある。

 「穴あきダム」については図面上や理論上の理屈はおおむね理解できていたが、実情はどのようになっているのか見た事がなかった。丁度本年の3月に島根県の益田川上流部に「穴あきダム」が完成したとの情報を得て早速現地調査となった。現地を見て一目瞭然ですぐ「穴あきダム」のよさが分かった。益田川も58年豪雨の災害で死者を39名、全半壊1700棟余りと未曾有の被害を被り、流域住民の安全確保のためにダム計画が始まったという。ダムの下流側数百メートルには住宅があり、その危険度は計り知れないものがあったと想像できた。

 説明された担当者は「環境の事は当初から特別考えなかった。ベストの治水計画を検討している段階でこのダムとなった。」と言われびっくりした。勿論ダムを建設にあたっては環境に配慮した事は当然であったようだが、現地で説明を聞くうちにその意味が分かってきた。

 試験湛水(ダムの強度等を確認するために、最初に試験的にダムを満水にすること)したが、その貯水された水も2ヶ月で排水され元の川に戻ったと言う。そのため植栽等(生態)の環境には、竹以外は枯れた様子もなく緑が戻っており、影響がないことも証明された。現況はダムの前後を見る限り全く普通の川であった。ダムの下流側には土砂も流れているため水の色も多少変わっているのも見えた。更に、ダムに土砂が溜まらないために、ダムの高さも抑えられるし事業費も20パーセントも下げる事になったと言う。

 今年の7月豪雨では周囲の急峻な谷間から流れ出た水で増水となったが、ダムに水が貯水され下流域への洪水調節が出来災害を防げ、早速効果があったことが報告された。しかも今後満水になるような事はないだろうとも言っていた。淺川の治水事業を論議する上で大いに参考になった。12月定例会では志昂会の柳平議員が現地調査を踏まえ一般質問を予定にしている。

 それにしても今回の現地調査は往復18時間で、日程的にハードであった。出来れば日帰りと思ったが、東京に到着したのが午後11時30分ごろであったため東京で一泊し翌朝早く長野に戻ってきた。日程的にはきつかったが満足できる意義ある調査であった。