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納得の出来る入札制度の早期見直しを望む

 長野県建設業協会南佐久支部の新年賀詞交換会に出席した。例年行われているが今年も単なる新年会風ではなく、限られた時間内ではあるが研修会的な集いである。常に情報収集と学習意欲の昂ぶりには感心させられる。ただ残念なことは常に前向きに取り組みをされているが、公共事業削減や入札制度の改正などにより報われにくくなっている。

 公共事業の削減は協会員も承知はしているが、あまりにも急激な削減は企業維持ですら大変であると伺える。また、入札制度の見直しも他県で露見した「官制談合」に見られるように、入札そのもの改正は時代の要請で仕方がないことである。しかし、他の企業と異なり今の入札制度ではいつ仕事が取れるかわからない状況で、年間売り上げ計画・従業員対策など会社の年間計画を立てることは非常に難しいといわざるを得ない。

 入札制度の課題点は、入札制度が価格のみの競争となり、採算性を無視した入札が行われていること。企業は適正な利益があってこそ、重機等の整備・計画的雇用と従業員教育・安全管理と質の高い工事の施工・適正な工期の確保などが出来るが、今は全て逆の方向で進めざるを得ない状況である。現行の失格基準制度では健全な企業経営は到底望めないばかりか、安定した企業経営は不可能であろう。

 もう一点は地域性を無視していることが挙げられる。確かに誰がどこの仕事を請けようが権利はあるし、受注機会があっても不思議ではない。地元企業が請け負う利点は地形地質・気象条件・地理的問題など熟知されていることが挙げられる。災害時でもそれらを熟知されているからこそ、迅速で適切な対応が可能となる。

 現在土木部で入札制度について検討がされているが、今後はじっくり検討され、試行でなく完成度の高い入札制度にまとめ上げ施行するべきであろう。今日も現地機関の所長も話されていたが、このままで行けば将来、現場によって全て異なる技術対応が出来なくなる恐れが出来てくる。若い技術者を雇用し技術技能を教えることが出来なくなっているからである。入札制度が全て土木業界の苦境の源になっているとは言わないが、将来を見据えた土木行政を見直す良いチャンスであると思う。業界の切実な声も十分斟酌し、納得できる入札制度の改革を期待したいものである。