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社会衛生委員会の県外視察初日

県議会報告 

 31日 本日から社会衛生委員会の県外視察が実施された。初日の今日は熊本県の「健軍くらしささえ愛工房」と、熊本県議会で医師対策について視察調査を行った。「健軍くらしささえ愛工房」は既存の県営住宅が老朽化し建替えとなった際、1階に福祉機能を持つ施設を整備し、2階以上を県営住宅としたものである。

 工房では小規模多機能型居宅介護や障害者地域生活支援事業、子育て支援、障害を持つ当事者による喫茶コーナーなどを整備し、運営を公募により9団体による提案の中から、NPO法人「おーさぁ」の事業計画を採用し、地域住民・ボランティア等とのパートナーシップにより事業を開始している。健軍と言う地域の商店街に隣接され立地条件はよい。この施設は熊本県が全国モデルを目指し、社会福祉協議会や民生委員・児童委員活動の活性化等、従来の地域福祉の取組みに加え、熊本県地域福祉支援計画「地域ささえ愛プラン」に基づき建設されたと言う。

 施設は小規模多機能施設だけにコンパクトにまとまっており、機能的にも素晴らしいし、運営上も地域住民と連携してよいシステムになっている。経営上はようやく収支がとんとんになったと言われているが。この施設計画は公営団地建替えの検討に入った際、国交省の「公営住宅団地建替えにおける社会福祉施設の併設に関する指針」を参考にして、地域住民を巻き込み検討会を繰り返し実施し本体着工に結び付けている。

 実は地域福祉推進のための指針となる「熊本県地域福祉支援計画」の検討は、公営団地建替えに基づき検討された福祉施設検討より2年遅れていたのである。部局横断とまでいかないまでも、住宅部で進めてきた福祉施設計画が2年後に県の福祉支援計画の策定に結びついた点が感心させられる。子育て支援コーナーには親子ずれで利用し、子供の声が隣の一般型通所介護を利用して訪れている老人や、地域生活支援事業を利用してきている障害を持つ人達にも聞こえ、まさに「地域の縁がわ」としての機能が十分果たされていた。

 熊本県の医師対策については、意外にも一般の県立病院はなく精神科病院・県立こころの医療センターを除く)公立・市立病院と開業医病院だけであるという。医師数も全国で13位とのことであった。ある程度医師は充足していると感じたが、産科医師については不足ぎみになっている。そこで産科拠点病院等に最低2人以上の複数体制を目標に取り組んでいる。分べんができる産科を携る病院が一人になれば、他地区へ大学病院から派遣している医師の引き上げ拠点病院を充足させている。

 私は引き上げられた病院では、産科医一人引き上げられれば医療収入が大幅に減少するだけに、県が関与していることによって、引き上げ拒否など抵抗やクレームがないか質問した。無いとのことであった。やはり医師数が多いだけにまだ深刻な環境ではないと感じた。逆に周辺の開業医との関連を常に関係を深めている。全国的にも産科医が不足している長野県、少しは理事者側の取り組み次第によっては、良好な施策が生まれてくると感じた。長野県に帰ってからの宿題を頂いたような思いを得た。

 それにしても熊本県では現況では医師はやや充足していると思う。その中においても熊本県内11医療圏の医師のバランスが図られるよう努力していることが伺えた。充足しているからこそ医師の強制移動があっても(ある程度県の関与がある)文句が出ない要因であろうと思った。信州大学とじっくり協議をして、信大病院に引き戻すばかりでなく、信大こそが県下の医療圏ごとの産科医のバランスを考えた行動を取っても良いのかなとも思った。いずれにしても県の確固たるリーダー意識が望まれるものである。