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海上保安官の処分に意義あり

私の意見 
 23日 本日の朝刊の各紙は、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事故の映像流出させたことにより、神戸海上保安部の一色保安官が辞職したと報道された。そのほかにも長官他24人も処分されたという。国の機密とする映像を流出させたことは、確かに国家公務員として守秘義務違反は問われてもやむを得ない。その処分が「停職1年」が適正な処分に値するかは分からないが、しかし、この衝突事件は誰が見ても中国漁船が明らかにわが国の巡視艇に威嚇衝突してきたものである。その乗組員を全員帰還させ、その船長も何故か中国に帰してしまった。その船長は中国では英雄扱いとなっている。どう考えても政府の判断はおかしいと思う。

 事故でなく事件が発生した直後に、他の事故及び事件と同じように隠さずに放映していれば、今回の処分はなかったはずである。対中国との複雑な外交問題もあろうかと思うが、今回の事件は外交問題以前の問題であると思う。お互いにわが国の領土を主張している海域での事件(わが国は領土問題はないとしている)、そのこと(領土問題と)についての外交問題と、わが国の巡視艇に故意に中国漁船が衝突を図ったこととは別次元の問題であるはずである。その最初に判断を間違えた、仙石官房長官か菅首相かは知りえないが、いずれにしても政府の過ちのために、善良な保安官を辞職まで追い詰めて追いて、自分たちの処分はお構いなしということは納得できない。

 もし衝突を受けた巡視艇が火災や船舶の破損により浸水して、乗組員の保安官が死亡したり重傷を負わされたらどうするのか。その可能性も十分考えられる情況である。保安官はそのような情況の中においても日本国のために、日本海域を日本漁船等のために命がけで守っているのである。このような前代未聞の衝突事件を国民に知らせないで、事件の終焉を図ろうとしているわが国政府の判断は、日本を守るとする巡視艇乗組員の保安官を見殺しにすることと同じではないか。

 現場で危険と不安の中で賢明に対応した保安官たちにしてみれば、情況によってはわが命を断つことも予想されるだけに、当然生々しい衝突を受けた状況を知らせたいと思うのは当然なことである。むしろ前述のとおり、政府が真っ先に情況を国民や世界に知らせていたら、局面は大きく変っていたこととであろう。今回の処分はどう考えても腑に落ちない。

 この事件が海上でなく陸上であったらどう判断されたであろうか。警備をしている警視庁の車両に、外国人が故意に車で衝突させ逃亡しようとしたらどうするのか。少なくとも追跡し捕獲し、運転手や同乗者などは即刻逮捕となり、テレビでは現場の状況は放映されることになるであろう。それでも、外交上の問題だからといって秘密裏に処理をしようとするのか。そのために、生命を脅かされた警察官にしてみても、事件の現況が表に出なかった場合、その秘密は誰が見ても公に出してもよいのではと思われると思う。

 例え方が適切ではなかったかも知れないが、今回の処分は最初の判断の誤りによるものであり、守秘義務違反として多くの処分された関係者は、今後巡視艇に乗船して危険な職務を遂行していくにも、恐らく業務の正当性に疑問と不安を持ち、良心の呵責と闘いながら職務に付くことになるのではないだろうか。再び同じような事件が発生した際、現場の対応は混乱し、現場の処理はできなくなる恐れも出てくる。いずれにしても、政府の責任は大きい、特に判断をして命令をくだしたといわれている仙石官房長官は、自らの判断ミスで25人も処分者を出してしまった事実を重く見て、自らの処分も考えたらいかがだろうか。