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暴言ではすまされない田中大臣の発言

 4日 田中眞紀子文部科学大臣が「審議会が答申した三大学の新設は認可しない」と記者会見で発言したことが問題となっている。私は田中大臣が大学設置の抜本的な見直しをするという、今後の方向を議論しようとする考え方には賛同する。しかし、今回のように既に新設に向けて申請の段階で文部科学省の指導に基づき進めてこられ、大学側も校舎も完成し来年の準備が進められているこのときに不認可は納得することはできない。

 私は以前に長野県立短期大学4年制化の議論の進め方に異論の考えを述べたが、大学の運営や大学に求められる質、今後の日本の人口動態を考えた大学の定員不足の問題等に田中大臣が警鐘を鳴らしたことは評価したい。誰もわかっていながらそのことに口を塞ぎ、短大より4年生化にして資格を取得させたい、県内の高校生に学んでもらい卒業後県内で就業の機会を与えたいなど、表面的には受けやすい理由を並べている。また、海外からの留学生を受け入れることは国際化の社会において、日本の学生にとっても良いことと思う。しかし、最初から定員不足を補うために受け入れ、大学の運営をカバーしようとすることには賛成しかねる。

 今回の問題は田中文部科学大臣として責任ある判断とはいえない。自分が大臣として申請の認可に直接携っていないにしても、行政の継続性を無視しては混乱を招くだけだ。答申は受け入れその後に今後についての方向は抜本的に見直すとあれば、日本の人口動態を考慮した大学のあり方等について議論が始まる。そのことこそが担当大臣としての責任ある発言として歓迎されることになると思う。折角の大学設置の核心に触れる課題だけに、暴言ではすまされない、むしろ汚点を残してしまったことになる。国も県も本質議論を早急に行い徹底的に議論するべきではないか。その上で大学の新設等が決定されたなら国民も納得できるのではないか。どのように収拾されるのか注目したい。