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長寿日本一の長野県の将来に向けて

 5日 先ごろ長野県が男女とも長寿日本一の県であることが発表された。久しぶりに長野県にとってホットなニュースに嬉しさが一杯である。故若月俊一元佐久総合病院名誉院長による熱心な減塩運動をはじめとする健康管理の重要性を真摯に受け止め、地域ぐるみで実践してきたことなど、多くの先人たちに先ず感謝したい。昨日、開会中の長野県議会2月定例会の一般質問で「県政ながの」金子ゆかり議員が、健康長寿のモデルについて知事の見解を質していた。時宜を得た質問であったが、「まずは要因を分析してから・・・」と言う知事の答弁には些か納得のいくものではなかった。

 先月県は「健康長寿世界一を目指して」県がそれぞれ策定していた7計画を一体化して、「信州保健医療総合計画」をまとめたと発表されたばかりである。私は健康長寿県に見合ったことと高い評価をさせていただいたところだ。改めて、現在すすめられている「長野県総合5カ年計画案」の健康に関わる項を読ませていただいた。現状認識も、長期的な視点に立った長野県の将来像も、プロジェクトによる施策の推進も、施策の総合的展開からも正直本気度があるのかと疑わざるを得ない内容に思えて落胆した。「まずは要因を分析してから・・・」と言う知事の答弁も、この情況を見れば概ね想像はついた。
 
 県議会が健康福祉部や県教育委員会、歯科医師会などと丁寧に議論を重ねて制定した、長野県歯科保健推進条例が全く活かされていない。その条例の前文には「近年、長寿社会を迎え高齢者や介護を要する者への口腔ケアの重要性、食育と歯及び口腔の健康づくりとの関連性、歯周病等と全身の健康との関連性等が注目されてきており、とりわけ生活習慣病や誤嚥(ごえん)性肺炎等に対する歯科疾患の予防の有効性及び歯科保健が全身の健康状態の改善に寄与することが明らかになってきていることから、県民の歯及び口腔の健康づくりに向けた一層の取組が求められている。」と掲げられている。

 この条例に基づき歯科保健推進計画を策定中とは聞いているが、3年を経て未だに策定されていない。(そのために歯科医師資格取得の職員が入庁のはずだが) でも、新しい総合計画には当然他の医療福祉計画と関連させる内容があるだろうと思ったが、新5ヵ年計画案には歯科保健との連携する文言は一切ないではないか。唯一欄外に、(参考)関連する個別計画の中に「長野県歯科保健推進計画」の文言のみが掲載されていただけである。何のためにこの条例を制定したのか理解されているのだろうか。何も私が条例制定に携わってきた一人だから言っているのではない。また、三大死因に対する診療機能向上対策や、長寿の要因分析が必要ないとはいっていない。折角知りえた歯科保健予防による健康長寿の知識を何故活かさないのかを問いたいのだ。

 現在の健康長寿は先人たちの活動があってこそ成し遂げられているのだ。今後は今の私たちが将来のことを考えて確かな行動を起こさない限り成し得ないのではないか。だからこそ、糖尿病など生活習慣病に重要な関連性を持つ「歯科保健予防」の取組みが求められていることに気がついていただきたいものだ。日本一虫歯の少ない県であった新潟県が、いまやその実情を知って取り組み始めた佐賀県が1位を奪うなど、全国的に歯科保健推進に力を注いできていることを改めて知っていただきたい。 

 昨日(3月4日)の長崎新聞には、「むし歯ができるには歯質と細菌、食事(ショ糖類)の三つの要素があり、歯質が酸に弱いとリスクが高まる。特に歯が生えてから1、2年がむし歯になりやすいため、永久歯のむし歯予防には就学前から中学生の時期が最も効果的とされる。」という基本的実証に基づき「長崎県は、フッ化物洗口によるむし歯予防策を普及させるため、洗口を実施する自治体、学校、幼稚園、保育所などに対する助成制度を新設することを決め、新年度予算案に関連経費約973万円を計上した。」と報道された。

 県側も県議会も大切な現実をもう一度足元から見つめなおしていただきたい。そして、せっかく超党派で汗をかき練りに練り全会一致の議決により制定した、「長野県歯科保健推進条例」を絵に書いた餅にして欲しくはない。県民の健康維持、将来への長寿を願ってこの条例を制定したはずではないか。思わぬ愚痴めいた展開になってしまったが、何事も真実と解決の原点を忘れてはならないと、自分自身に言い聞かせたい思いのブログとなってしまったが、県議会では25年度の施策と予算を決める2月定例会で、「長野県総合5カ年計画案」を含め徹底した議論の展開を願いたいものだ。